ホームセンターは、木工・DIYの愛好者にとってライフラインの1つともいえる存在だ。
そんなホームセンターでネット通販の利用を考えたとき、こんな疑問を抱いたことはないだろうか。
「公式オンラインストア」と「ネットショッピングモール」※1では、どちらが安いのか?
安さは総合的に見て判断しなければならない。
ある計算方式を用いれば、安さを総合的な観点で判断することが可能だ。
このページでは、「総合的な安さを導きだすための計算方式」を中心に、ホームセンターで上手にネット通販する方法をご紹介したいと思う。
ネット通販にあまり馴染みのない方にも分かりやすい内容となっているので、興味のある方は是非、読み進めてほしい。
※1 ネットショッピングモールとは、ネット上で展開されるショッピングモールを指す。国内最大級のネットショッピングモールには、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの3社が挙げられる。
ホームセンターもネット通販事業に本気で取り組む時代へ
現在、ホームセンター市場に参入している企業は、全国展開する大手から地域密着型の地方企業まで含めると、その数は50社以上にも上る。
ドラックストアや郊外型ショッピングモールの台頭により、ホームセンターの新規出店といった情報を見聞きすることが少なくなってきた。
ここ数年ホームセンター市場の伸び率はほぼ横ばい状況にあり、現在、ホームセンター市場は飽和時代を向かえている。
この現状を打破するためには、ネット通販を活用した販路拡大を業界全体で進めていく必要がある。
ホームセンターのネット通販事業は、業界全体でまだまだ改善の余地があるため、これからネット通販事業が伸びていく可能性が大いにあるのだ。
ネット通販は、「公式オンラインストアの設立」と「ネットショッピングモールへの出店」を軸に収益化をはかるのが定石だ。
- 公式オンラインストア
- ネットショッピングモール
- 楽天市場
- Yahoo!ショッピング
- Amazon
現在、大手のホームセンターでは、公式オンラインストアの出店とネットショッピングモールへの出店を積極的に進めている。
これまで実店舗販売を主としてきたホームセンターだが、これからはネット通販にも全力を注がなければならない時代なのである。
ホームセンターがネット通販に注力することは、歓迎すべきことだ。
なぜなら、木工・DIY用品がこれまで以上の低価格で流通する可能性がでてくるからだ。
実店舗よりもネット通販の方が、低価格になる傾向にある事実。
それに加え、商売の肝となる仕入れは大手に有利にはたらく。
ホームセンターを運営する企業は、一部上場やそれに相当する大手ばかりだ。
ホームセンターの発展なくして、木工・DIY業界の発展はない。
ホームセンター業界全体でネット通販に本気で取り組めば、木工・DIYの市場を活性化させることにも繋がるのである。
どこが安いかは総合的な観点で判断
公式オンラインストアとネットショッピングモールである楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング。
どこが安いかは、総合的な観点で判断をおこなう。
総合的とは、以下の3つの要素のことである。
- 商品価格
- 送料
- 獲得ポイント
商品価格
商品価格が大きな比重をを占めることは言うまでもない。
安さを求めるのであれば、公式オンラインストア、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングでしっかりと価格をチェックすることが必須となる。
基本的には、公式オンラインストアが最安値になる確率が高い。
ネットショッピングモールの売り上げにはマージンが発生する。その分が商品価格に反映されるため、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの方が、少し割高になる傾向にあるのだ。
それでは、実際にチェックしてみよう。
商品3点を選び、価格を比較してみた。
- SK11 ワンタッチ式ドリルガイド SIDG-1
- EARTH MAN 18Vインパクトレンチ IW-180LiA
- ナカヤ スパイク定規 NS2000N
ホームセンターは、業界最大級の規模となった「DCMグループ」※1を対象とした。
※1 DCMグループは、DCMホーマック、DCMカーマ、DCMダイキ、DCMサンワ、DCMくろがねや、ケーヨーデイツーが経営統合されて設立されたグループ企業。オンラインストアも統合され、新たに「DCMオンライン」が誕生した。
SK11 SIDG-1 | 商品リンク | 販売価格(税込) |
---|---|---|
DCM 公式オンラインストア | 4,110円 | |
DCM 楽天市場店 | 4,330円 | |
DCM PayPayモール店 | 4,330円 | |
DCM Amazon店 | 4,330円 |
高儀 EARTH MAN IW-180LiA | 商品リンク | 販売価格(税込) |
---|---|---|
DCM 公式オンラインストア | 14,500円 | |
DCM 楽天市場店 | 15,260円 | |
DCM PayPayモール店 | 15,260 | |
DCM Amazon店 | 15,260円 |
ナカヤ スパイク定規 NS2000N | 商品リンク | 販売価格(税込) |
---|---|---|
DCM 公式オンラインストア | 9,158円 | |
DCM 楽天市場店 | 9,800円 | |
DCM PayPayモール店 | 9,800円 | |
DCM Amazon店 | 9,800円 |
商品価格は、オンラインストアが最安値という結果になった。
実際には、オンラインストアとモール出店しているお店と商品価格が同じになることもあれば、モール出店しているお店の方が逆に安いというケースもある。
オンラインストアが絶対というわけではないので、よく覚えておこう。
送料
安さを求めるのであれば「送料は商品価格も同然」と、そう認識なければならない。
つまり、送料はなるべく支払わない。送料を無料にすることを考えるのだ。
送料を無料にする方法は、2通りある。
- 送料が無料になる下限額以上で購入する
- 送料が無料になる取り置きサービスを利用する
3つの方法のなかでも取り置きサービスは、特筆に値するサービスだ。
広範囲に店舗を展開しているホームセンターだからできるサービスなので、賢く利用したいところだ。
低価格でポイントが高い商品であっても、その価値を送料で相殺してしまっては何もならない。
送料を支払うことは、低価格や高ポイントといった魅力を半減させたり帳消しにしてしまうことになるのだ。
獲得ポイント
楽天市場やYahoo!ショッピングの利用者はとても多い。
その最大の要因は、獲得できるポイントが多いことが挙げられる。
楽天市場とYahoo!ショッピングのポイント還元率はとても高い。
その料率は、購入金額に1%、両社が発行するクレジットカードでの決済で更に1%、また頻繁に行われるキャンペーンなどを利用することで、次々にアップされる。
このポイントがドンドン貯まるお得感が、楽天市場とYahoo!ショッピングの人気の秘訣なのだ。
しかし、ポイント獲得を重視するあまりに、送料が軽視されることがあるので注意が必要だ。
商品を安く購入することを考えた場合、商品価格の次に優先すべきは実はポイントよりも送料なのである。
下の表を見てほしい。
これは、ポイント倍率が5倍になった時に付与されるポイントを示したものだ。(1Pは1円換算)
購入金額 | 獲得ポイント |
---|---|
1,000円 | 50P |
3,000円 | 150P |
5,000円 | 250P |
7,000円 | 350P |
10,000円 | 500P |
15,000円 | 750P |
30,000円 | 1,500P |
50,000円 | 2,500P |
70,000円 | 3,500P |
100,000円 | 5,000P |
200,000円 | 10,000P |
300,000円 | 15,000P |
購入金額が高くなればなるほど、獲得できるポイントも比例して多くなる。
獲得できるポイントは、購入金額が高いほど多く購入金額が低いほど少ない。
ここで注目してほしいのは、購入金額が10,000円で獲得できるポイントである。
購入金額が10,000円で獲得できるポイントは、500Pである。
送料の相場は500~600円。
500P獲得できたとしても500円の送料がかかってしまっては、総合的に見るとプラスマイナスゼロということになる。
つまり送料がかかれば、獲得したポイントは無意味なものになってしまうのだ。
購入金額が10,000円を超えてくると大体の場合、送料は無料になる。
送料が無料になる下限額は、ほとんどのお店で設けられているからだ。
そこには、「まとめ買いすれば送料が無料になりますのでお得ですよ」というお店側のメッセージが込められている。
そのまとめ買いサービスを、極限にまで進化させたのが現在のAmazonだ。
獲得できたポイントは、送料が無料になってはじめてその価値を有することができるのである。
安さを総合的に判断するための計算方式
「商品価格」と「送料」と「獲得ポイント」。
安さを総合的に判断する3つの要素をお伝えした。
それでは3つの要素を、総合的に判断するにはどうしたら良いのか?
答えは簡単だ。
それは獲得ポイントをお金に換算すれば良いのだ。
獲得ポイントをお金と考えれば、総合的な安さを容易に導きだすことができる。
ただし、獲得ポイントは利用できる場所が限られていたり、限定期間が設けられていることがあるので注意が必要。
安さを総合的に判断するための計算方式は下記のとおりだ。
商品価格+送料-獲得ポイント=総額
この答えとなる総額が最も低いお店が、一番安く商品を購入することができるお店と判断することができるのである。
総額はどう変動するのかを表にしてみた。
ポイント倍率は5倍としている。(1Pは1円換算)
商品価格 | 送料 | 獲得ポイント | 総額 |
---|---|---|---|
3,000円 | 無料 | 150ポイント | 2,850円 |
3,000円 | 無料 | 0ポイント | 3,000円 |
3,000円 | 600円 | 0ポイント | 3,600円 |
8,000円 | 無料 | 400ポイント | 7,600円 |
8,000円 | 無料 | 0ポイント | 8,000円 |
8,000円 | 600円 | 0ポイント | 8,600円 |
16,000円 | 無料 | 800ポイント | 15,200円 |
16,000円 | 無料 | 0ポイント | 16,000円 |
16,000円 | 600円 | 0ポイント | 16,600円 |
30,000円 | 無料 | 1,500ポイント | 28,500円 |
30,000円 | 無料 | 0ポイント | 30,000円 |
30,000円 | 600円 | 0ポイント | 30,600円 |
理解しやすいように、数字は単純化している。
商品価格と送料と獲得ポイントは、総額にどう影響を与えるかをイメージすることができるだろう。
商品価格+送料-獲得ポイント=総額
小学生でもわかるこの「安さを総合的に判断するための計算方式」を用いれば、安さを総合的に判断することが誰でも簡単にできるのである。
公式オンラインストアとモール出店しているお店の一覧表
最後に、ホームセンターに簡単にアクセスできるように一覧表をつくってみた。
全国規模に店舗を展開している大手のホームセンター9社を厳選した。
表内の下線は、リンクを示している
「商品価格の比較」や「送料の詳細確認」などに、是非とも役立ててほしい。
一覧表の記載内容は以下のとおりだ。
- ホームセンターの名称
- 公式オンラインストア
- ネットショッピングモール出店の有無
- 送料が無料になる下限額(税込)の表示
- 店頭で受取サービスを実施しているかどうかの有無
ホームセンター | オンラインストア | 下限額 税込 | 店頭受取 |
---|---|---|---|
DCMグループ | DCMオンライン | 3,000円 | ☓ |
コメリ | コメリドットコム | 10,000円 | 〇 |
東急ハンズ | 東急ハンズネットストア | 5,000円 | 〇 |
コーナン | コーナンeショップ | 7,560円 | 〇 |
カインズ | ホームセンター通販のカインズ | 5,000円 | 〇 |
ビバホーム | ビバホームオンラインショップ | 10,800円 | ☓ |
ナフコ | ナフコオンラインストア | 10,000円 | ☓ |
ロイヤル | ロイヤル公式通販のロイモール | 5,000円 | 〇 |
ムサシ | アークランドオンライン | 10,800円 | ☓ |
ホームセンター | モール出店 | 下限額 税込 |
---|---|---|
コメリ | 楽天市場 出店なし | |
PayPayモール店 | 10,000円 | |
Amazon 出店なし | ||
DCMグループ | 楽天市場店 | 5,000円 |
PayPayモール店 | 5,000円 | |
Amazon店 | 3,000円 | |
東急ハンズ | 楽天市場店 | 5,000円 |
PayPayモール店 | 5,000円 | |
Amazon店 | 記載無し | |
コーナン | 楽天市場店 | 7,560円 |
PayPayモール店 | 11,000円 | |
Amazon店 | 7,560円 | |
カインズ | 楽天市場 出店なし | |
Yahoo!ショッピング 出店なし | ||
Amazon 出店なし | ||
ビバホーム | 楽天市場 出店なし | |
Yahoo!ショッピング 出店なし | ||
Amazon 出店なし | ||
ナフコ | 楽天市場店 | 10,000円 |
Yahoo!ショッピング 出店なし | ||
Amazon店 | 10,000円 | |
ロイヤル | 楽天市場 出店なし | |
Yahoo!ショッピング 出店なし | ||
Amazon 出店なし | ||
ムサシ | 楽天市場店 | 10,800円 |
PayPayモール店 | 11,000円 | |
Amazon 出店なし |
まとめ
「総合的な安さを導きだすための計算方式」を中心に、ホームセンターで上手にネット通販する方法をご紹介した。
最後にホームセンターでネット通販するときの手順を、簡潔にまとめたいと思う。
- 候補となる全てのお店にアクセスする
- 商品名で検索をかける
- 商品価格を比較する
- 送料を無料にすることを念頭に置く
- 獲得できるポイントを割り出す
- 安さを総合的に判断する計算方式で総額を弾き出す
- どの店にするか決断する
どの店が一番安いかの答えを導きだすためには、少々時間が必要だ。
商品さえ決まっていれば普通で15分、慣れてくれば10分でその答えにたどり着くことができるだろう。
上記のホームセンターの一覧表を利用すれば、アクセスまでの時間を短縮することができる。
是非、活用してほしい。
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