シンワ測定製の差し金

「差し金とはどういった墨付け道具なの?」

「差し金の仕様の見方は?」

「差し金は何を基準に選べば良いの?」

このページでは、これらの疑問にしっかりお答えする。

差し金はどういった測定工具なのか、おすすめサイズから選ぶ前に知っておきたい仕様項目について徹底解説をおこなう。

この記事に関心をもったあなたは、おそらく木工・DIYの初心者だろう。

このページを読了し、差し金の選び方をしっかりマスターしてほしい。

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差し金の各部の呼び方を整理

差し金の各部の呼び方は、いろいろあり混迷しがちだ。

そこでまず、その呼び方を整理することにした。

差し金の各部は、長い方が長枝(ちょうし)短い方を短枝(たんし)という呼び方が一般的となっている。

差し金には、表面と裏面がある。

差し金の長枝と短枝の関係

上記の写真のように長枝を上、短枝を右に位置させ上に向いた面が表面になる。

目盛りには、外目盛と内目盛があるが、目盛りの列数は4つの配置パターンがある。

配置パターンについては、目盛りの列数は4つの配置パターンがあるの項で詳述している。

差し金の呼び方および表記は、いろいろある。

差し金は、シンワ社のホームページや日本工業規格(JIS)などでは曲尺(かねじゃく)と表記されているが、一般的には差し金(さしがね)という呼び方が浸透している。

よって木工DIY部では、一般的な呼び方である「差し金」で表記することで統一している。

また、呼び方が混迷しないように下記に同義語をまとめている。

差し金の各部の呼び方をいまいち把握できていない方は、しっかり整理しておいた方がいいだろう。

木工DIY部での呼び方 同義語
差し金(さしがね) 差金・指矩・指金・曲尺・矩尺
長枝(ちょうし) 長手
短枝(たんし) 短手・妻手・横手

用途を見れば分かる差し金が大工さんの必須道具であるその理由

差し金は、「日曜大工、家具製作、建築現場」には欠かすことのできない墨付け道具だ。

墨付け道具については、以下の記事で詳しく解説している。

墨付け道具10選!木材にケガキ墨付けする定番品をご紹介

なかでも大工さんにとって差し金は、必須道具となっている。

なぜなら差し金は、万能の墨付け道具だからである。

どれだけ万能なのか?

差し金の用途を列挙してみると、その万能さがよく分かる。

  • 寸法の測定
  • 直線の墨付け
  • 直角の墨付け
  • 曲線の墨付け
  • 直角の確認
  • 平面の確認
  • 等分の割り出し
  • 角度の割り出し
  • 勾配の割り出し
  • ほぞ穴の深さ測定
  • 丸目を使った円周の測定
  • 角目を使った角取り
  • 角目を使った多角形の割り出し

これだけの用途が、差し金ひとつでこなすことができてしまう。

建築現場では、あらゆる墨付けに素早く対応できる墨付け道具が求められる。

だから、あらゆる用途に対応できる差し金が、大工さんの必須道具となっているのである。

国内No.1の差し金メーカー「シンワ測定」

長さの測定や墨付けの定規などいろんな用途に活用できる差し金は、大工、建具屋、床屋、家具屋といった職人には無くてはならない墨付け道具だ。

プロばかりではない。

差し金は、お部屋のリフォームや日曜大工を趣味とする一般の方にも愛用される測定工具でもあるのだ。

幅広い層から愛用される差し金は、ニーズの高い商品だ。

ニーズの高い商品には多くの企業が参入し、そこで覇権争いが展開される。

最終的には3~4社が勝ち残り、主要メーカーに君臨することになる。

たとえば、電動工具であればマキタ、ハイコーキ、リョービが3強を形成しているようにだ。

それでは、差し金の主要メーカーはどこなのか?

メーカーを調べてみた。

調査の場は、多くの差し金が売り買いされている場が相応しい。

それは、ホームセンターである。

大手ホームセンター10社で取り揃えている差し金のメーカーを、オンラインストアで調べてみた。

大手ホームセンター10社については、ホームセンターをランキング!大手から地方まで比較一覧できる表を作成してみた!で、詳しく取り上げている。

  • シンワ測定
  • 藤原産業(SK11)
  • 新潟精機
  • TJMデザイン(TAJIMA)
  • トラスコ中山(TRUSCO)

メーカーは5社ピックアップすることができたが、調べる過程でハッキリしたことがあった。

それは、差し金のメーカーが1強状態にあるということである。

差し金のメーカーは、「シンワ測定」がNo.1。

それもダントツである。

「シンワ測定」がNo.1と断言をした根拠は、以下のとおりだ。

全ての大手ホームセンターで取り扱われていた唯一のメーカーであり、他社に比べ圧倒的に品数が多い。

AmazonとYahoo!ショッピングである程度リサーチしていたので大勢は把握していたが、リアル店舗を展開するホームセンターで調査するとその差が歴然であることがより明確になったのだ。

もちろん、筆者も「シンワ測定」の差し金を長年に渡り愛用している。

その理由は、「商品に満足しているから」。

商品に満足しているからリピーターになる。

No.1を維持するためには、「満足度の高い商品提供を継続すること」。

これに勝る攻略法は無いのである。

差し金にはJIS規格がある

金属製角度直尺(曲尺)JIS規格

上記に示した表は、差し金のJIS規格表である。

日本工業規格(通称JIS)では、差し金を「金属製角度直尺」と表記している。

差し金にはJIS規格があるが、それにこだわる必要はあまりないと言える。

なぜなら、JIS規格に該当しなくとも、それに相当する差し金がほとんどだからである。

品質と耐久性が高水準であっても、「表裏同目の尺目盛の差し金」や「併用目盛の差し金」は、JIS規格には該当しない。

「尺目盛」と「併用目盛」がJIS規格の対象外となっているからである。

製品を選ぶときは、JIS規格に該当するよりも、品質と耐久性を重視することの方が重要だ。

つまりJIS規格は、品質と耐久性を判断する指標に必ずしもならないのである。

シンワ測定の差し金であれば、JIS規格に相当する品質と耐久性をもつ差し金であるかどうかは、2つの仕様項目をチェックするだけで簡単に判別することができる。

それは、「材質」と「長さの許容差」である。

  • 材質がステンレス製と表示されている
  • 長さの許容差が±0.2mm以下で表示されている

この2つのポイントさえクリアーしていれば、JIS規格もしくはそれに相当する差し金と判別することが簡単にできる。

差し金を選ぶときに重視すべきポイントは、JIS規格よりも次項でお伝えする7つの仕様項目なのである。

差し金を選ぶまえに知っておきたい7つの仕様項目

差し金の仕様項目は、理解しておくべきだ。

なぜなら、自分に必要なモデルが明確になるからである。

メートルと尺で測定することがあるならば併用目盛のモデルが必須となるだろうし、耐久性を求めるのであれば広巾タイプのモデルが選択の候補に上がることになるだろう。

つまり、仕様項目を理解することで、自分に合う適切なモデルを選択することができるのである。

理解しておきたい仕様項目は、7つある。

しっかり整理し理解しておこう。

  1. 差し金のサイズは4つに分類することができる
  2. ステンレス製の差し金には「シルバー」と「ステン」がある
  3. 目盛の組み合わせは「表裏同目」「併用目盛」「角目併用」がある
  4. 目盛りの列数は4つの配置パターンがある
  5. 竿の断面形状には「A形」と「C形」がある
  6. 角部形状には「角厚」と「同厚」がある
  7. 竿の幅には「厚手広巾」と「広巾」がある

差し金のサイズは4つに分類することができる

差し金のサイズ表記は、表面の長枝と短枝の外目盛の呼び寸法で示される。

差し金の全長はこの呼び寸法に余長が加わる。

よって、呼び寸法よりも数センチほど差し金の全長は長くなる。

短枝の呼び寸法は、長枝の1/2であることがほとんどだ。

差し金のサイズは、標準、小型、大金、中金の4つに分類される。

分類 メートル目盛 尺目盛
標準 50×25cm 1尺5寸×7.5寸
1尺6寸×8寸
30×15cm 1尺×5寸
小型 15×7.5cm
10×5cm
5寸×2.5寸
3寸×1.5寸
大金 1m×60cm 3尺3寸×2尺
中金 60×30㎝ 2尺×1尺

主流は、標準に分類されている赤字で示した5つのサイズである。

サイズ選択に迷うのは一般の方だ。プロの方がサイズ選択に迷うことはないだろう。

一般の方であれば、50×25cmサイズを強くおすすめする。

なぜなら、尺目盛を活用することはおそらくないだろうし、大は小を兼ねることができるからである。

ステンレス製の差し金には「シルバー」と「ステン」がある

差し金の材質の主流は「ステンレス」だ。

安価な鉄製の差し金はあまりおすすめできない。

鉄は錆びやすく硬度もステンレスよりも劣る。

つまり、鉄製の差し金は安さは魅力なのだが耐久性に問題があるのだ。

主流となっているステンレス製の差し金には、「シルバー」と「ステン」がある。

差し金の最大手であるシンワ測定では、製品名に明記しているので非常に分かりやすい。

「シルバー」と「ステン」の違いは、表面加工の有無である。

  • 「シルバー」は、硬質クロムメッキの表面加工がされている
  • 「ステン」は、表面加工がされていない

硬質クロムメッキの表面加工は、なぜ行うのか?

それは、「硬度」と「耐摩耗性」を向上させるためにである。

「硬度と耐摩耗性の向上」は、「耐久性の向上」に比例する。

硬質クロムメッキは、検査工具、切削工具、シャフト、金型などさまざまな分野で応用されている皮膜硬度を劇的に高めることができる技術だ。

シンワ社のホームページで差し金の製品ラインナップを覗いてみてみると、シルバー加工のほうが圧倒的に品数が多い。

シンワ測定のホームページで差し金の製品ラインナップを覗いてみてみる

ステンレス製の差し金は、こう覚えておくと良い。

ステンレス製の差し金には「シルバー」と「ステン」があり、耐久性は表面加工されている「シルバー」の方が優れる。

目盛の組み合わせは「表裏同目」「併用目盛」「裏面角目」がある

差し金の表面と裏面の目盛りの組み合わせは、3通りある。

  1. 表裏同目
  2. 併用目盛
  3. 裏面角目

組み合わせは、表面と裏面の長枝の外目盛で決まる。

表裏同目は、表と裏がメートル目盛か尺目盛のどちらかで統一された組み合わせ。

併用目盛は、表がメートル目盛で裏が尺目盛か、表が尺目盛で裏がメートル目盛の組み合わせ。

裏面角目は、表がメートル目盛か尺目盛で、裏が角目盛の組み合わせになっている。

目盛の組合せ 表目盛 裏目盛
表裏同目 メートル メートル
併用目盛 メートル
メートル
裏面角目 メートル 角目
丸目
ホゾ
吉凶
メートル

裏面角目の裏の目盛りの種類は多いので、分かりやすいように赤字で示しておいた。

いろいろあり混迷しがちとなるので、ここでしっかり整理しておこう。

  • 角目目盛
  • 丸目目盛
  • ホゾ穴測定目盛
  • 吉凶尺目盛

角目目盛

角目目盛

角目目盛は、丸太から取れる角材を測るときに用いられる目盛りだ。

角目には、表面の目盛りを√2倍(1.414倍)にした目盛りが刻まれている。

この角目で直径を測れば丸太からとれる角材の大きさが分かる仕組みだ。

たとえば、丸太の直径が角目で30cmなら、1辺30cmの角取りができることが分かる。

角目目盛は、角材の1辺を示す目盛りなのである。

丸目目盛

丸目目盛

丸目目盛は、丸太の円周を測るときに用いられる目盛りだ。

丸目には表面の目盛りを円周率(3.14)で縮小した目盛りが刻まれている。

この丸目で計測した直径は、円周を示している。

たとえば、丸太の直径が丸目で90cmなら、この丸太の円周は90cmであることが分かる。

丸目目盛は、円周を示す目盛りなのである。

ホゾ穴測定目盛

ホゾ穴測定目盛

ホゾ穴測定目盛は、ホゾ穴やすき間などの深さを測るときに用いられる目盛りだ。

長枝の内目盛の先端には目盛り刻まれている。

この先端の目盛りをホゾ穴に差し込み、ホゾ穴の深さを測る仕組みだ。

ホゾ穴測定目盛は、深さを示す目盛りなのである。

吉凶尺目盛

吉凶尺目盛

吉凶尺目盛は、吉凶を占うときに用いられる目盛りだ。

吉凶尺目盛には、「財、病、難、義、官、劫、害、吉」の8文字が刻まれている。

8文字は、吉凶を示している。

方位と同じように、寸法にも吉凶があるのだ。

現在、一般の建築物で吉凶を占う風習がなくなったため、吉凶尺目盛は神社仏閣の建造といった場面でしか使用されないようになっている。

つまり、吉凶尺目盛は一般の方には不要な目盛りであり、現在は宮大工だけが使用する希少な目盛りなのである。

目盛りの列数は4つの配置パターンがある

差し金に刻まれる目盛りの列数には違いがあるので注意が必要だ。

目盛りを配置できる列は、8箇所もあるのだ。

  • 表目盛
    • 長枝
      • 外目盛
      • 内目盛
    • 短枝
      • 外目盛
      • 内目盛
  • 裏目盛
    • 長枝
      • 外目盛
      • 内目盛
    • 短枝
      • 外目盛
      • 内目盛

目盛りの列数には、4つの配置パターンがある。

ここでは、シンワ測定の厚手広巾の差し金を例に、その4つの配置パターンを見ていきたいと思う。

シンワ測定の厚手広巾は、ネーミングにより区別しているので非常に分かりやすい。

シンワ測定の厚手広巾は、4つの配置パターンを以下のネーミングで区別している。

  1. 4段目盛
  2. 5段目盛
  3. 6段目盛
  4. 8段目盛

4段目盛の配置パターン

表目盛 長枝 外目盛
内目盛
短枝 外目盛
内目盛
裏目盛 長枝 外目盛
内目盛
短枝 外目盛
内目盛

5段目盛の配置パターン

表目盛 長枝 外目盛
内目盛
短枝 外目盛
内目盛
裏目盛 長枝 外目盛
内目盛
短枝 外目盛
内目盛

6段目盛の配置パターン

表目盛 長枝 外目盛
内目盛
短枝 外目盛
内目盛
裏目盛 長枝 外目盛
内目盛
短枝 外目盛
内目盛

8段目盛の配置パターン

表目盛 長枝 外目盛
内目盛
短枝 外目盛
内目盛
裏目盛 長枝 外目盛
内目盛
短枝 外目盛
内目盛

◯は目盛りが刻まれている。☓は目盛りが刻まれていないことを示している。

目盛りの列数には違いがあるので、確認することを良く覚えておこう。

竿の断面形状には「A形」と「C形」がある

差し金の竿の断面形状

木工・DIYで使用する差し金の竿の断面形状には、「A形」と「C形」がある。

これは、JISで規定されている形である。

まずA形は、両面とも真ん中が少し凹んでおり側面に向けて段々と厚みが薄い形となっている。

差し金の竿の側面と断面

この形状により、2つのメリットが得られる。

  • 指の腹で差し金の面が押さえやすくなる
  • 側面の面が浮いているので差し金が素早く動かせることができる

「A形」の差し金は、高い操作性が魅力なのである。

つぎに「C形」は、両面ともフラットな形となっている。

実にシンプル、両面とも平面。

現在、竿の断面形状の主流は、「C形」となっている。

耐久性と墨付け精度の優位性は「C形」に軍配が上がるが、操作性の優位性は「A形」に軍配が上がるというのが木工DIY部の見解だ。

メリットとデメリットは表裏一体なのである。

角部形状には「角厚」と「同厚」がある

差し金の角部形状

差し金の長枝と短枝のコーナーにあたる角部形状には、竿の厚さよりも厚くなっている「角厚」と、竿と同じ厚さの「同厚」がある。

角部形状は、前項で取り上げた「竿の断面形状」を組み合わすことでさらに3つのタイプに分類することができる。

  1. 「角厚」で「A形」のタイプ
  2. 「同厚」で「A形」のタイプ
  3. 「同厚」で「C形」のタイプ

角部形状は製品仕様で確認できる。

シンワ測定の差し金であれば、3つのタイプを製品名から判別できる。

下記のように、角部形状を製品名に盛り込んでいるので非常に分かりやすいのだ。

シンワ測定の「角部形状」の表記

竿の「角部」と「断面」の形状タイプ 「角部形状」の表記
角厚でA形のタイプ 角厚
「角厚」で「A形」のタイプは、角厚とだけ表記されている。
竿の厚さは1.4mm。質量は約91g。
「角厚」で「C形」のタイプは存在しない。
よって「角厚=A形」と認識しておけば間違うことはないだろう。
同厚でA形のタイプ 名作
「同厚」で「A形」のタイプは、製品名に「同厚」と「名作」が明記されている。
竿の厚さは1.4mm。質量は約88g。
「名作」の表記がされていれば、「同厚」で「A形」のタイプであると、そう認識しておけば良い。
同厚でC形のタイプ 平ぴた 広ピタ 厚手広巾
「同厚」で「C形」のタイプは、「平ぴた、広ピタ、厚手広巾」とだけ表記されている。同厚の表記はされていない。
この呼び名は、竿の厚みと幅のサイズで区別されている。
各種の厚み幅と質量は、以下のとおりだ。

  • 平ぴた  1.0×15mm 約87g
  • 広ピタ  1.0×20mm 約115g
  • 厚手広巾 2.0mm×20mm 約240g

※材質はステンレス。通常価格の2倍もする高級品、ツーバイフォー用、マグネット付、表面にハードコーティングが施されているといった特殊な差し金は対象外とした。

竿の幅には「厚手広巾」と「広巾」がある

「厚手広巾」と「広巾」の差し金

差し金には、竿の幅を大きくした広巾タイプがある。

竿の幅を標準の15mmから20mmに広くしたのが広巾タイプだ。

木工・建築関係の世界では「幅」という文字は、略字である「巾」で表記されることが多い。

竿の幅を広くするとシッカリとした作りになるので、当然のごとく安定性が増すことになる。

安定性は、精度に大きく影響を与える。

たとえば、ものさしで線を引くときのことを想像してほしい。

まっすぐに線を引きたい場合に、「幅の狭いものさし」と「幅の広いものさし」のどちらがのものさしを選択するのかを。

やはり、安定感のある「幅の広いものさし」を選ぶのではないだろうか。

安定性は、精度を高めることにつながる。

つまり広巾タイプの差し金は、精度の高い墨付けを実践するのに有効なのである。

広巾タイプは厚みで次のように表記されているので覚えておくと良いだろう。

  • 厚さ標準1mmは「広巾」
  • 厚さを厚くした2mmは「厚手広巾」

安定性に比例して耐久性も高くなる。

厚みを厚くした「厚手広巾」は、安定性と耐久性を更に高めたものだ。

しかし、広巾タイプにもデメリットがある。

同じステンレス製で同レベルの製品を比較してみると、そのデメリットが浮き彫りになる。

幅のタイプ 本体サイズ 質量
標準 520×15×1.4mm 91g
広巾 520×20×1.0mm 115g
厚手広巾 520×20×2.0mm 240g

そう、質量が重くなるのだ。

広巾タイプは、操作性が落ちることがデメリットなのである。

とはいえ差し金の主流は、広巾タイプになりつつある。

現在、差し金は、安定性と耐久性が重視されているのである。

厳選3種!一般の方におすすめの差し金をランキングでご紹介

この項では、おすすめの差し金を厳選3種をランキング形式でご紹介する。

プロ職人の方へのアドバイスは、不要だろう。

おすすめの差し金は、一般の方を対象に選んでいる。

選んだ差し金は、竿が「同厚」で「C形」タイプの下記3種だ。

3種すべてメーカーはシンワ測定であり、製品名はホームページで掲載されている正式な名称である。

  1. 曲尺厚手広巾 シルバー 50㎝表裏同目 8段目盛 JIS
  2. 曲尺平ぴた シルバー 50㎝ 表裏同目 JIS
  3. 曲尺厚手広巾 シルバー 30㎝表裏同目 8段目盛 JIS

ランキングした3種は、現在、木工やDIYの愛好家から絶大な支持を得ている差し金だ。

Amazonの売れ筋ランキングでも常に上位にランクしている人気の差し金で、一般の方に自信を持っておすすめできる差し金である。

第1位 曲尺厚手広巾 シルバー 50㎝表裏同目 8段目盛 JIS

商品画像
メーカー シンワ測定
製品コード 11481
質量 240g
直角度 100mmにつき0.1mm以下
長さの許容差 ±0.2mm
本体サイズ 長枝520 短枝260 竿幅20 竿厚2mm
呼び寸法 50×25cm
材質 ステンレス(シルバー)
角部形状 同厚
竿の断面形状 C形(フラット)
目盛の組み合わせ 表裏同目(メートル目盛)
目盛りの配列数 8箇所(8段目盛)
竿の幅 厚手広巾
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第2位 曲尺平ぴた シルバー 50㎝ 表裏同目 JIS

商品画像
メーカー シンワ測定
製品コード 10032
質量 87g
直角度 100mmにつき0.1mm以下
長さの許容差 ±0.2mm
本体サイズ 長枝520 短枝260 竿幅15 竿厚1mm
呼び寸法 50×25cm
材質 ステンレス(シルバー)
角部形状 同厚
竿の断面形状 C形(フラット)
目盛の組み合わせ 表裏同目(メートル目盛)
目盛りの配列数 8箇所
竿の幅 標準
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第3位 曲尺厚手広巾 シルバー 30㎝表裏同目 8段目盛 JIS

商品画像
メーカー シンワ測定
製品コード 10421
質量 144g
直角度 100mmにつき0.1mm以下
長さの許容差 ±0.2mm
本体サイズ 長枝320 短枝160 竿幅20 竿厚2mm
呼び寸法 30×15cm
材質 ステンレス(シルバー)
角部形状 同厚
竿の断面形状 C形
目盛の組み合わせ 表裏同目(メートル目盛)
目盛りの配列数 8箇所
竿の幅 厚手広巾
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プロ向けの差し金を簡単に探せるリンク集

大工さんや建具屋さんといったプロ職人の方に差し金を紹介するのは、おこがましい。

なぜなら、プロ職人の方は、どういった差し金が自分にとって適切なのかをちゃんと理解しているからだ。

適切な商品を選択できる方に対してここでできることは、手順を簡略化することだけだ。

よって、ここではプロ向けの差し金を選ぶ手順を簡略化することを目的とした。

差し金を選ぶときに軸となるは、目盛の組み合わせだ。

そこで、目盛の組み合わせを売れ筋順に並び替えたリンクを用意することにした。

プロ向けの差し金が簡単に探せるリンク集となっているので、ぜひ活用してほしい。

  • 表裏同目
  • 併用目盛
  • 角目併用

なお、楽天市場は売れ筋順に並び替えることができないので、レビュー評価順となっている。

表裏同目タイプの売れ筋を確認する

併用目盛タイプの売れ筋を確認する

裏面角目タイプの売れ筋を確認する

まとめ

差し金とはどういった測定工具なのか、その用途と選ぶときに確認しておきたい仕様項目に重点を置き解説を行った。

長い記事とったので最後に、差し金の選び方の手順を簡潔にまとめたいと思う。

  1. メーカーを決める(シンワ測定がおすすめ)
    • シンワ測定
    • 藤原産業(SK11)
    • 新潟精機
    • TJMデザイン(TAJIMA)
    • トラスコ中山(TRUSCO)
  2. 目盛の組み合わせを決める
    • 表裏同目
    • 併用目盛
    • 裏面角目
  3. サイズを決める(標準サイズであれば)
    • 50×25cm
    • 30×15cm
    • 1尺6寸×8寸
    • 1尺5寸×7.5寸
    • 1尺×5寸
  4. 仕様を確認する
    • 材質
    • 目盛りの列数
    • 竿の断面形状
    • 竿の角部形状
    • 竿の幅
    • 竿の厚み

まずは、「メーカー」と「目盛りの組み合わせ」と「サイズ」を決めてしまい、その後は仕様を確認しながら消去法で進めていけば、自分にとってベストな差し金がきっと見えてくるはずだ。

ぜひ、このページを参考にしてほしい。

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