ペケ台

「作業台が欲しいが設置するスペースがない」

「作業台を簡単に作りたい」

そういった問題を解決できるおすすめの作業台がある。

それは「ペケ台」と呼ばれる簡易作業台である。

簡単に自作できるので、行動力のある人なら今日にでも問題解決をすることが可能だ。

作業台としてはもちろん、ペケ台は車でも持ち運びできるためアウトドアといった場面でもテーブルとして活用することができる。

このページでは、ペケ台の作り方からその魅力について詳しく解説を行う。

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ペケ台の組み立て方(構造)と自分にあったサイズの見つけ方

ペケ台の組み立て方は、相欠きされた合板2枚を十字に組み合わせて脚を作り、その上に天板となる合板を載せるだけといった非常にシンプルな構造だ。

脚の部分を見ると一目瞭然。

ペケ台という呼称は、脚の形状からきているのである。

ペケ台のサイズは、脚2組にサブロクサイズの天板1枚というタイプが一般的。

脚1組にサブロクサイズのおよそ半分サイズの天板1枚というタイプもあり、サイズは様々だ。

脚2組にサブロクサイズの天板1枚というタイプ

ペケ台のサブロク板サイズ

脚1組にサブロクサイズのおよそ半分サイズの天板1枚というタイプ

ペケ台のサブロク板のおよそ半分サイズ

天板のサイズは想像しやすいのであまり問題ないのだが、天板までの高さは盲点となることが多いので注意が必要だ。

市販されているペケ台の高さは参考にならない。

450mmや600mmの高さが多く、どちらも作業台として使用するには少し無理があるサイズなのだ。

因みに、身長165㎝の私にとって適度な高さは約700mmとなっている。

日頃から使用しているダイニングテーブルや勉強机などは、大いに目安になる。

ペケ台を自作するのであれば目安を参考にし、自分にあったサイズを見つけ出すことを絶対に忘れないでほしい。

簡易作業台の主流は「ウマ」から「ペケ台」へ

簡易さを求める建築現場の職人さんからは、「ウマ」と呼ばれる作業台が長く愛用されてきたが、現在はこの「ペケ台」を利用する職人さんが圧倒的に多く、簡易作業台の主流となっている。

簡易作業台の主流が「ウマ」から「ペケ台」になぜ代わったのかは、簡易作業台に求められる要素を考えてみるとよくわかる。

簡易作業台に求められる要素は大きく3つだ。

  1. 簡単に組み立てが可能
  2. 軽量で持ち運びに便利
  3. 収納場所を取られない

「ウマ」よりも「ペケ台」は、上に挙げた2と3の要素が優れている。

これらの優位点が、簡易作業台の主流が「ウマ」から「ペケ台」へと代わっていった、大きな要因となったのである。

テント感覚で活用できることがペケ台の最大の特徴

ペケ台の魅力は、即席性とポータブル性にある。

これらの魅力を持ち合わせている代表的なものといえば、アウトドアで使用されるテントが挙げられるだろう。

寝床や休憩所をどこでも簡単に設置することができるテントは、アウトドアで幅広く愛用されている定番アイテムだ。

ペケ台は、テントと同じような感覚で活用することができる。

組み立て時間は1分とかからず車で持ち運びできるため、どこでも容易に設置することが可能だ。

DIYや木工では作業台として、キャンプやバーベキューといったアウトドアではテーブルとして活用することができる。

テントを設置する感覚で、あらゆる場面で活用できることがペケ台の最大の特徴なのである。

ペケ台の製作に使用されている合板

ペケ台の製作に使用する合板は、脚部分は優れた強度を確保できる構造用合板がおすすめだ。

天板は、用途によって好みで選ぶことができる。

天板に使用されている合板は、以下の3つが代表的だ。

  1. 構造用合板(針葉樹合板)
  2. 普通合板(ラワンベニヤ)
  3. 塗装加工されたコンクリート型枠用合板(コンパネ)

3つの合板は、よく混同しがちとなるので画像を用意してみた。

構造用合板(針葉樹合板)

普通合板(ラワンベニヤ)

塗装加工されたコンクリート型枠用合板(コンパネ)

塗装加工されたコンクリート型枠用合板の色は、イエローであることがほとんどのため見極めは簡単だ。

構造用合板は針葉樹、普通合板はラワン材が仕様となっているので、木目と色で判別することができるだろう。

判別に自信のない方は、合板に記されている印字を確認すると良い。

「構造用合板」「普通合板」「コンクリート型枠用合板」と、合板の種類は必ず記されているので、慣れるまでは、印字を頼りにするといいだろう。

ペケ台の製作に使用する木材と道具

ここでは、ペケ台の製作に使用する木材と道具をシンプルに表にしている。

製作に当たるのは、脚2組にサブロクサイズの天板1枚タイプとしている。

使用する木材

合板 構造用合板
サブロクサイズ 12×910×1820mm
枚数 3枚

使用する道具

必要な道具 丸ノコ
ノコギリ
ノミ
金槌
鉛筆
指金
スケール
あると便利な道具 ジグソー
電動ドライバー
木工用ドリル10mm

ペケ台の作り方

いよいよ本題であるペケ台の作り方について解説を行う。

サイズは脚2組にサブロクサイズの天板1枚タイプ。スタンダードなペケ台の製作に当たる。

天板は合板1枚をそのまま使用するため、製作は脚部分だけである。

ペケ台の木取り図と寸法カット

まずは木取り図を見てほしい。

構造用合板 サブロクサイズ(12×910×1820mm)×2枚

ペケ台の木取り図

2組の脚を作るため、サブロクサイズの合板が2枚必要だ。

まずは合板を必要な寸法にカットする。

寸法を測り、指金を使って直角に墨線を引き、丸ノコで定規に沿って一気にカットする。

作業台がないとった環境下ならば、合板の入手先ともなるホームセンターのカットサービスを利用することを強くおすすめする。

カットサービスの相場は、1カット30円と安いため手軽に利用することができるだろう。

合板のような幅の広いカットは、危険をともなうため絶対に無理をしてはいけない。

注力すべきはペケ台製作の肝となる次の工程である、相欠き加工なのである。

ペケ台の脚に切り込みを入れ相欠き加工を施す

ペケ台の切り欠き寸法

脚の木取りが終われば、次は材の中央部に切り込みを入れ相欠き加工を施す。

ここで使用する合板の厚みは12mmなので、少しゆとりをみて13~14mmの切り込みに設定すればいいだろう。

切り込む深さもプラス10mmと、ゆとりをとる。

脚の高さが700mmなので、差す側を360mm、受ける側も360mmの切り込み深さとなる。

相欠き加工は、ペケ台製作の肝となる重要な作業となるのでイメージできやすいように大きめの図面を用意しておいた。

ペケ台の脚に切り込みを入れ相欠き加工

まずは、指金を使って切り込みの墨線を引く。

次に墨線に丸ノコの刃が入るよう定規を当て切り込みを2か所入れる。

切り込みが数㎝深くなる分には問題ないので、そう神経質になる必要はない。

最後にノミでカットする。

両側から金槌でノミを打ち込んでいけば、簡単にカットすることができるだろう。

相欠き加工がすんだら、ちゃんと組み立てができるかどうかの確認を行なう。

収まりがキツイようであれば、幅を1mmほど広げ再度切り込みを行なう。

切り込みの幅は緩すぎると修正が効かないので、切り込みの幅は少しづつ広げていく意識で作業を進めていくと収まりの良い相欠き加工ができるだろう。

機能性を向上させる脚の形状と切り抜き加工

このままでも良いのだが、あと簡単な二手間を加えることによってペケ台の機能を向上させることができる。

それは、脚の形状と切り抜き加工である。

まずは、脚の形状加工だ。

脚下の形状は、なるべく下の図面のように加工を施しておきたい。

ペケ台の脚の形状加工と切り抜き加工

なぜなら、簡易作業台の設置場所は、床や地面の平面が確保できないことが考えられるからである。

そういった悪環境下では、線よりも点で支える脚の作りにしておいた方が安定を得ることができるのだ。

次に切り抜き加工をすれば、更に機能性を向上させることができる。

切り抜き加工の目的は、軽量化だ。

どんな物でも軽くなれば持ち運びやすくなるため、ポータブル性を確実に向上させることができるのだ。

軽量化のための作業であるため、デザインは、四角、ひし形、円形なんでもいいだろう。

脚の形状と切り抜き加工には、ジグソーが有効だ。

ドリルで四角に10mm程の穴をあけてから、墨線をなぞるようにカットする。

ペケ台の脚の切り抜きをジグソーで行う時の穴を開けておくポイント

脚の形状と切り抜き加工は、ジグソーが得意とするところなのだ。

これらの加工を丸ノコで行う場合には、ノコ刃の出しろを任意に設定できる切込み深さ調整機構を駆使する。

安全カバーを上げ、ベースプレートから徐々にノコ刃を出していき適切な切込み深さになった所で墨線に沿って切り抜きを行う。

少し危険な作業になるので、丸ノコでの切り抜きは細心の注意が必要だ。

丸ノコでカットできない所は、ノコギリまたはノミといった手工具を使用すれば良い。

あくまで切り抜きは、ポータブル性を向上させるための作業となるので、必要のない場合は省略すれば良いだろう。

脚の形状と切り抜き加工は、機能性を向上させるための作業だ。

手間を加える価値は十分にあるので、是非、チャレンジしてもらいたい。

構造用合板(12×910×1820mm)をネットで調達する

ペケ台を自作する場合、合板の入手先はホームセンターになることが多いだろうが、中にはネットでの購入を検討されている方もいるだろう。

そんな方のために、ペケ台自作の主流である構造用合板のサブロク板(12×910×1820mm)を取り扱っているショップをご紹介したいと思う。

サブロク板
12×910×1820mm
構造用合板を見てみる

ペケ台の脚部だけをネットで調達する

ペケ台の脚部だけをネットで調達するといったやり方もある。

ペケ台の脚部は、当然、以下の3つが加工済だ。

  • 相欠き加工
  • 脚の形状加工
  • 切り抜き加工

天板は、ホームセンターなどで用途に合わせ好みの合板をチョイスすれば良いのである。

「ペケ台は欲しいのだが、製作の時間と労力がない」といった方には、魅力的な選択肢になるだろう。

ペケ台
脚部のみを
ネットショッピングモールで探す

簡易作業台はリーズナブルなものから高品質なものまで市販されている

「自作は労力と時間がかかるので面倒だ」

そう考えるのであれば、既製品を購入するというのも1つの手だ。

既製品の簡易作業台については、下記のページで詳しく解説をしている。

簡易作業台は、BOSCH、Black+Decker、コーナン、アークランドサカモト等など。

大手の電動工具メーカーやホームセンターメーカーが、しのぎを削る商品ジャンルだけあり商品は充実している。

リーズナブルなものから、高品質なものまで市販されているので選択肢は多い。

自分に合う商品を、きっと容易に見つけることができるだろう。

丸ノコの性能を最大限引き出すためにはチップソーが重要

丸ノコの性能を最大限引き出すためには、チップソーの性能にもこだわる必要がある。

チップソーについては、下記のページで詳しく解説をしているのでぜひ参考にしてほしい。

安全グッズで木工ライフを充実させる

木工と安全

丸ノコ、テーブルソー、自動カンナ、手押しカンナ等など。

これらの電動工具や木工機械を導入するのであれば、万全な安全対策が必要だ。

安全グッズについては下記のページで詳しく解説をしている。

万全な安全対策で、あなたの木工ライフをぜひ充実させてほしい。

まとめ

ペケ台の作り方からその魅力について、詳しく解説を行った。

長い記事とったので最後に、ペケ台の作り方の手順を簡潔にまとめたいと思う。

  1. 構造用合板を用意
  2. 寸法カット
  3. 相欠き加工
  4. 脚の形状加工
  5. 切り抜き加工
  6. 天板を載せて完成

「道具と材料」と「正しい作り方の知識」が揃っていれば、1時間とかからずペケ台の製作は可能だ。

是非このページを参考に、役立ててほしい。

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