丸ノコには、左勝手と呼ばれるモデルがある。
左勝手は、逆勝手とも呼ばれる。
それでは、左勝手は左利き用の丸ノコなのか?
結論から言えば、左勝手の丸ノコは右利き用ではあるが、左手で使用することができる。
このページでは、左勝手の丸ノコについて詳しく解説をする。
おすすめの左勝手の丸ノコもご紹介しているので、ぜひ最後まで読んでほしい。
なお、手持ちの丸ノコの選び方については、下記のページで詳しく解説をしている。
作業によっては左勝手の方が使いやすいケースがある
日本には、左利き用の丸ノコは存在しない。
なぜなら、メーカーが右利き用の丸ノコしか製造販売していないからである。
メーカーのカタログやホームページの商品ページには、左勝手の丸ノコを、左利き用という表記はどこにもされていない。
しかし、左利き用として使用できる丸ノコは実質存在する。
それが、左勝手の丸ノコである。
左勝手の丸ノコは、刃先と材に記した墨線が見やすいといった大きな特徴をもつ。
この特徴は、外壁のサイディングカットや、家を建てるときの垂木の鼻切りといった場面で活かされる。
以下は、外壁屋さんがサイディングをカットする動画だ。
まず材に墨線を引き、次に丸ノコの刃先を墨線に合わせ、最後に定規をセットして一気にカットしている。
左勝手の丸ノコは、刃先と墨線が見えやすいのでこういった場面に非常に適しているのである。
左勝手の丸ノコはキックバックが起こらない環境作りが大事
通常のハンドルよりもノコ刃が左側にある左勝手は、その分だけ身体にノコ刃が近くなるため、危険性は高くなる。
これが左勝手のデメリットだ。
よって左勝手の丸ノコを使用するときは、常にキックバックが起こりにくい環境作りと、常に対処できる心構えをもって望むことが大事になる。
キックバックが起こりにくくさせる方法の1つに、捨て板を敷き材を切る方法がある。
この方法は、切断した木口にささくれが起こりにくいという効果もある。
切断された材は、捨て板が受けとめてくれるので、切断中に材が折れたり、下に落ちたりすることもない。
キックバック対策に、捨て板を敷くこのやり方は、非常に理にかなった方法なのである。
拾て板は、合板が代表的だが、軽くて安いスタイロフォームでも代替がきくのでおすすめだ。
左勝手の丸ノコを使用するときは、キックバックが起こりにくい環境作りが大事なのである。
左勝手の丸ノコは左利き用とし使えるがリスクが伴う
左勝手の丸ノコは、お店によっては左利き用と表記されていることがあるので注意が必要だ。
上記は、左勝手と右勝手の丸ノコだ。
ご覧いただくと、鏡に移したように左右対称になっているのが良く分かると思う。
この2つが店頭で並んで陳列されていた場合。
左勝手の丸ノコをよく知らないお客であれば、「こっちは左利き用だな」と、誤った解釈をする可能性は極めて高いと思われる。
つまり、左勝手の丸ノコを左利き用として誤って使用している人は相当いるという事である。
ネットで情報収集してみても、「左手で使用できます」という意見は散見される。
実は、左勝手の丸ノコは、ほとんど違和感なく左利き用として使用することができる。
しかし、使用するうえで大きな問題点が一つだけある。
それは、左勝手の丸ノコは右利き用としてメーカーは製造しており、トリガースイッチをオンのまま維持できるロックボタンが右利き用に設置されている点だ。
左手で扱うとロックボタンを誤って押してしまい、ノコ刃が回りっぱなしになってしまうこともあるので大変危険なのだ。
自己責任において、左勝手の丸ノコを左手で使うことはできる。
ただし、危険というリスクがを伴うことを決して忘れてはならないのである。
左勝手の丸ノコ おすすめ4機種を比較
現在、左勝手の丸ノコを製造販売している国内メーカーはマキタのみである。
よって選択肢は限られる。
左勝手の丸ノコのおすすめは、以下の4機種である。
- 逆勝手 丸ノコ
- 1. マキタ 丸ノコ 逆勝手 5632BLA
- 2. マキタ 丸ノコ 逆勝手 5832BLA
- 左勝手 防じん丸ノコ
- 3. マキタ 防じん丸ノコ 左勝手 KS5200FX
- 4. マキタ 防じん丸ノコ 左勝手 KS5200FXSP
それぞれの性能が把握できるように比較表を作成した。
比較表を見比べれば、どれを選ぶかが見えてくると思う。
メーカー | マキタ | マキタ |
---|---|---|
機種 | 5632BLA | 5832BLA |
画像 | ||
モーター | 単相100V 950W | 単相100V 1,050W |
回転数(毎分) | 4,700回転 | 4,700回転 |
ノコ刃 外径 | 165mm | 190mm |
ノコ刃 内径 | 20mm | 20mm |
切込深さ 90° | 57mm | 68mm |
切込深さ 45° | 38mm | 46mm |
質量 | 3.2kg | 3.5kg |
付属品 |
チップソー 平行定規 ボックスレンチ |
チップソー 平行定規 ボックスレンチ |
説明書(PDF) | ダウンロードする | |
価格(Amazon) | ¥20,195 | ¥23,988 |
メーカー | マキタ | マキタ |
---|---|---|
機種 | KS5200FX | KS5200FXSP |
画像 | ||
モーター | 単相100V 1,050W | 単相100V 1,050W |
回転数(毎分) | 7,000回転 | 7,000回転 |
ノコ刃 外径 | 125mm | 125mm |
ノコ刃 内径 | 20mm | 20mm |
切込深さ 90° | 39.5mm | 39.5mm |
切込深さ 45° | 26mm | 26mm |
質量 | 2.7kg | 2.7kg |
付属品 |
チップソー 平行定規 六角棒レンチ ツナギコード 取付工具 |
平行定規 六角棒レンチ ツナギコード 取付工具 |
説明書(PDF) | ダウンロードする | |
価格(Amazon) | ¥25,500 | ¥30,100 |
なお、価格は変動するものだ。
この後に4機種の最安値が簡単にチェックできるリンク集を用意しているので、そこでしっかり確認してほしい。
1.マキタ 丸ノコ 逆勝手 5632BLA
マキタ 5632BLAは、最新のカタログにも掲載されている現行モデルだ。
5632BLAは、ロックボタンの機能が付いていないという特徴をもつ。
よって実質、左利き用として使用できる構造となっていると言えるだろう。
5632BLAと5832BLAとの違いは4つある。
- ノコ刃の外径
- モーターのパワー
- 最大の切り込み深さ
- 販売価格
販売価格は、外径190mm 5832BLAの方が、4,000円ほど高くなる傾向にある。
性能的にはほとんど差がないので、最大切り込み深さにこだわらないのであれば、この165mmの5632BLAを選ぶ方が良いだろう。
2. マキタ 丸ノコ 逆勝手 5832BLA
マキタ 5832BLAは、最新のカタログにも掲載されている現行モデルだ。
5832BLAは、ロックボタンの機能が付いていないという特徴をもつ。
よって実質、左利き用として使用できる構造になっていると言えるだろう。
5832BLAと5632BLAとの違いは4つある。
- ノコ刃の外径
- モーターのパワー
- 最大の切り込み深さ
- 販売価格
販売価格は、外径190mmのこの5832BLAの方が、4,000円ほど高くなる傾向にある。
性能的にはほとんど差がないので、最大切り込み深さにこだわらないのであれば、前述した165mmの5632BLAを選ぶ方が良いだろう。
3. マキタ 防じん丸ノコ 左勝手 KS5200FX
マキタ KS5200FXは、壁の下地となる石膏ボードや外壁のサイディングの切断といった場面に威力を発揮する丸ノコだ。
防じん機能は、切断時に舞う細かい粉塵の集塵にとても有効。
また、墨線を目安に切断するこの手の作業には、左勝手は非常に適している。
このような利点をもつKS5200FXは、建築現場の声を反映して作られた丸ノコである言えるだろう。
KS5200FXとKS5200FXSPは、性能や搭載されている機能は同じだ。
唯一の違いは、チップソー付きかチップソー無しかの違いだけである。
KS5200FXの付属のがチップソーは、窯業系サイディング用となっているので注意が必要だ。
木工用として購入するのであれば、後述のチップソー無しのKS5200FXSPを選択しよう。
4. マキタ 防じん丸ノコ 左勝手 KS5200FXSP
マキタ KS5200FXSPは、壁の下地となる石膏ボードや外壁のサイディングの切断といった場面に威力を発揮する丸ノコだ。
防じん機能は、切断時に舞う細かい粉塵の集塵にとても有効。
また、墨線を目安に切断するこの手の作業には、左勝手は非常に適している。
このような利点をもつKS5200FXSPは、建築現場の声を反映して作られた丸ノコである言えるだろう。
KS5200FXとKS5200FXSPは、性能や搭載されている機能は同じだ。
唯一の違いは、チップソー付きかチップソー無しかの違いだけである。
KS5200FXの付属のがチップソーは、窯業系サイディング用となっているので注意が必要だ。
木工用として購入するのであれば、チップソー無しであるこのKS5200FXSPを選択しよう。
丸ノコの性能を最大限引き出すためにはガイドとチップソーが重要
丸ノコの性能を最大限引き出すためには、ガイドとチップソーの性能にもこだわる必要がある。
ガイドとチップソーについては、下記のページで詳しく解説をしているのでぜひ参考にしてほしい。
メンテナンスにはシリコンスプレーとヤニ取クリーナー
丸ノコの刃のであるチップソーのメンテナンスには、吹き付けタイプである
- 防錆と滑りを良くする効果のあるシリコンスプレー
- 付着したヤニや樹液を強力に落とすヤニ取クリーナー
がおすすめだ。
シリコンスプレーは呉工業製、ヤニ取クリーナーはAZ製が定評がある。
チップソーのメンテナンスにぜひ活用してほしい。
安全グッズで木工ライフを充実させる
丸ノコ、テーブルソー、自動カンナ、手押しカンナ等など。
これらの電動工具や木工機械を導入するのであれば、万全な安全対策が必要だ。
安全グッズについては下記のページで詳しく解説をしている。
万全な安全対策で、あなたの木工ライフをぜひ充実させてほしい。
まとめ
左勝手の丸ノコについて、詳しく解説を行った。
解説をまとめる。
- メーカーから左利き用の丸ノコは製造販売されていない
- 実質的には左利き用として使用できる左勝手の丸ノコが存在する
- 作業によっては左勝手の方が使いやすいケースがある
- 左勝手の丸ノコは左利き用として使えるがリスクが伴う
- 左勝手の丸ノコを使うときはキックバックが起こらない環境作りが大事
左利きの人の割合は、約10%だそうだ。
メーカーが左利き用の丸ノコを製造しないのは、おそらく需要が少ないからだと思われる。
大工さんの話では、工具を扱う時、左利きの職人は不便な思いをすることが多いそうだ。
建築現場などでは、工具や作業場の共有も考えられる。
よって、左利きの人は右利きの工具にとにかく慣れる。
現状は、それが一番の対処法となっているのである。
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両店については、以下のページで詳しく解説をしている。
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